第67章 法令違反と規律紊乱

江川徹哉の眼差しが、ふっと柔らかくなった。

「昔、うちは貧乏でさ。下手すりゃ大学にも行けなかった。……ずっと陰で支えてくれたのが、おばさんだった。海外に出る費用まで、全部あの人が出してくれたんだ。言ってしまえば、おばさんがいなきゃ、今の俺はいない」

彼は大きく息を吸い、誠実な声で続ける。

「海乃。君が当時のことを調べてるのは知ってる。俺が帰国して江南医薬に入ったのも、その件が理由だ」

「おばさんが法に触れるようなことをするとは思えない。南坂グループが品質問題で潰れるなんて、なおさら信じられない」

情のこもった言葉に、南坂海乃が積み上げてきた防壁が、ほんの少し崩れた。

――この人も...

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